節約感覚にあふれる名古屋。それを体現しているのが、名鉄名古屋駅。

名鉄名古屋駅。名鉄の車両には、顔のような凹凸がある正面を持つものがあり、可愛らしい。これは6500系と呼ばれるらしい。

名古屋を初めて訪れたとき感心したのは、JR名古屋駅から地下街へ降りる階段。階段降り口の頭上サイン下端から、階段最下段までの高さが224センチで、住宅のスケール感覚。地下街のメインゲートに見栄を張らないのが名古屋らしさ。最近、地下鉄で見付けたサインは、ビニールテープで、無造作に天井に貼り付けた紙製。サイン下端まで190センチで、182センチの僕には絶妙な高さ。どちらも、地下の浅さに起因し、利用しやすさの裏返しですが、1センチも無駄にしない。

その極みが、名鉄名古屋駅の地下駅。1日21万人が利用し、8方面に発着する日本有数の駅なのに、線路2本にホーム3面。交通の集中する一等地で場所がない上に、地下街などを避けると、これ以上、スペースを確保できなかったのでしょう。

線路2本でのやり繰りとして、日中も2分間隔の過密運行ですが、ラッシュ時には、行先の違う2つの列車が、同じ線路に、間隔を開けて、ほぼ同時に入り、ほぼ同時に出発して行きました。少ない線路を高度に利用するテクニック。8路線の乗客を効率的に捌くため、ホームには路線ごとの乗車位置を、色違いのビニールテープで、ずれながら表示。次々と入る電車は、自分の路線の乗車位置に合わせて、ずれて停車し、乗降もスムーズ。同郷のトヨタの「カイゼン」思想の鉄道での具現化の好例。

そして、一部で有名な夕刊配送。上階のトラックヤードから滑り台経由で、ホームに夕刊の束が落ちて来ます。それを、スタッフが電車に積み、各方面の新聞販売店に最速で配達するシステムで、新聞は、客の乗る車両のドア脇に、付き添いなしで置かれます。最近始まった新幹線の配送サービスとは違い、名鉄は昭和30年代初めからの筋金入り。スペースを無駄にせず、省力化も図った見事な経済感覚。

ということで、名古屋に行くたび、入場券買って、名鉄名古屋駅を見に行ってしまう。

名鉄名古屋駅は3本のホームと2本の線路から成る。中央のホームは、普通列車の下車と特急の乗り場用で、両側の片側ホームは、普通列車の乗車専用。
普通列車の乗車ホームでは、数色のビニールテープが、行き先別に乗車位置を分け、乗降の効率を上げている。

行先別のビニールテープに、電車のドアを合わせるが、正確には、ビニールテープの位置から少しずらしたところにドアが来るように停車し、乗降をスムーズにする。行先が多く、行先別に行列を分けているので、スペースの関係で、東京のように、ドアの両側に並ぶのではなく、片側のみ。「カイゼン」思想の極み。この電車は、中部国際空港行きで、中部国際空港方面を示す緑色のテープに合わせて、停車している。
中央のホームの頭上には、手前のホームにある、乗車位置を示すビニールテープと同色の行先表示サインが設置されている。正面の行先サインの色を見て、自分の並ぶビニールテープの色が分かる。
ホームの乗車位置を示すビニールテープと同色の行先表示サイン。
夕方の東方面に向かう普通列車のホーム。
名鉄の中央駅だが、地下駅ということもあり、味気ないコンコース。
地下の中央ホームに、地上のトラックヤードから、滑り台経由で、新聞が落ちてくる。スタッフが、それを台車に積み替えている。
地下の中央ホームの台車の上に、行先別に分けられた新聞。
名鉄の車内のドアの脇に置かれた新聞。スタッフは、誰もいないが、乗客は気にも止めない。
地下鉄名古屋駅のサイン。ビニールテープで無造作に天井に貼り付けた紙製のサインは、下端まで190センチで、絶妙な高さ。

ご感想はこちらへ

参考文献
Wikipedia

写真の無断使用、転用はご遠慮下さい。/ Please do not use or upload our photos without permission.

おすすめの記事