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面積760m2、人口8万人の妻有地域を舞台に行われる大地の芸術祭が始まったのは、2000年。3年ごとの開催で、2024年には9回を数え、1回目は16万人だった来訪者も、8回目の2022年には60万人近くに成長し、日本を代表する広域芸術祭となりました。

アントニー・ゴームリー 「もうひとつの特異点」

1994年に、当時の平山征夫新潟県知事が提唱した「ニューにいがた里創プラン」。新潟県の6つの過疎地域に、それぞれ総合コーディネーターを立てる地域づくりで、妻有がその一つに選ばれたのが始まり。妻有の総合コーディネーターに、アートディレクターの北川フラムさんが任命されました。妻有を、環境問題などで身動きの取れなくなった都市に代わる地と考え、「人間は自然に内包される」という基本理念の下、アーティスト、建築家と住民の協働で地域活性化を行うことになりました。今でこそ、日本各地で広域芸術祭が開かれていますが、そんなものが存在しなかった20数年前、プロジェクトを実現できた大きな力は、北川さんの構想力と突破力。

その地域づくりのお披露目が「大地の芸術祭」で、2000年を皮切りに、3年に1回開催。計画策定に関わりましたが、1999年に第1回開催を予定していたものの、地元との調整が長引き、1年繰り下げ。現代美術とは無縁だった地に、突然、落下傘が落ちて来たようなものだから、ふつうの公務員や議会、住民の大きな戸惑いは当然でした。域内の道沿いに住民たちが花を植える「花の道」や、写真と言葉で妻有の魅力を伝えてもらう「越後妻有8万人のステキ発見」などの活動や、アーティストが妻有に来るたびに住民とワークショップや懇親会を重ね、集落に滞在して制作するアーティストが現れたことなど、アーティストと地域の交流も架け橋となり、状況は好転して行きました。

初回の参加アーティストは、32ヶ国140余人。7月20日、梅雨明けの青空の下開会した芸術祭は、9月10日、秋を告げる土砂降りの閉会式で幕を閉じました。初めは出足も鈍く、成否が心配されましたが、口コミ、テレビや新聞報道で次第に人も増え、8月最後の週末、アクセスのよい松代駅周辺では、混雑するほどの人出。来訪者も、美術関係者から一般の人々へと広がりました。

同規模の予算による地域イベントに比べ、群を抜く140人という数や、世界各地からの参加による表現や考え方の多様さが発信性となり、内外メディアが、芸術祭を東京発のニュースと同列で紹介。東京が頂点のピラミッドの下部にいた地域が、やり方次第では、東京の頭越しに世界とつながり、日本の代表となることを気付かせるプロジェクトとなりました。

そして2022年、コロナ禍で開催を1年遅らせた、8回目の芸術祭。首都圏のJR東日本の車内の電子広告では、開催期間中、5分に1回、大地の芸術祭の案内をJR東日本が流していました(2025年は、15分に1回)。今では、新潟からJR東日本圏内、そして日本の大観光コンテンツに成長し、四半世紀近くでの社会の受け入れ方の変化に隔世の感があります。

開催前の妻有は、産業の織物業の不振、棚田が多く農業の生産効率が低いこと、豪雪、交通の不便さの相乗による人口流出で、高齢化、過疎化が、新潟県内では離島の佐渡に並ぶ高さでした。それ故、自然の豊かさや古い文化が残り、生活と結びつく地でしたが、日本各地に同じようなすばらしい場所があり、差別化できなかった中、妻有では、アートが、地域を再発見し、差別化させる力ともなりました。

2000年の第1回から、年代順に作品を並べ、大地の芸術祭の歴史を振り返ります。この後の4つの投稿「リアルとフェイク」「ランドスケープ」「時間」「子供と大人」で紹介する作品は、除いています。

2000      大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000

2000      十日町のメイン会場(現存せず)
現在のキナーレのある場所に立っていた、廃業した工場の建物を利用した第1回のメイン会場に、芸術祭の看板が掲げられている。第1回の際の英語表記は、TriennaleではなくTriennialだった。会場の広場も、仮設的につくられた。

2000      マリーナ・アブラモヴィッチ 「夢の家」(冬を除き公開中)
松之山の上湯地区の築100年を超える民家を改修した、夢を見るための宿泊施設。宿泊者は、夢を見るためのスーツを着て、棺桶のように見える夢を見るためのベッドで眠り、翌朝、見た夢を「夢の本」に書き記す。10年に亘って書き記された夢をまとめた本も出版された。実施設計はCLIPによる。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/SZQ9Mh2VZbRiTmRy9

 

2000      ジェームス・タレル 「光の館」(公開中)
ジェームス・タレルさんの光のインスタレーションを体験するための宿泊施設。「Outside-In」では、日の出と日没の1時間、空を鑑賞するが、照明の効果で、実際の空の色やテクスチュアとは違う空が出現する。2000年の竣工時には、直管型白熱灯によるシンプルな光の演出だったが、生産停止に伴い、2015年、LEDによる、より複雑な光の演出に変わった。浴室の「Light Bath」では、水中に設置された光の効果で、水の中と外で身体の明るさに違いが生まれる。実施設計は石井大五+フューチャースケープ建築設計事務所。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/VPxd8PQ4gYtQ3yYj9  

 
 
 
 
 

2000      北山善夫 「死者へ、生者へ」(現存せず)
廃校になった清津峡小学校土倉分校の体育館に設置された作品。竹ひごと紙でつくられた龍神のようなオブジェが、室内に渦巻き、壁には、ドローイングや、ここで過ごした子供たちの写真が飾られ、作品全体が、アーティストによる取り壊しの決まっていた校舎への餞別にも見えた。
日本語ウェブサイト

   

2000  タデウス・ミスロウスキー 「無題」(現存せず)
十字架の形につくった立体格子に蝋燭を灯し、災害や暴虐によって亡くなった人々に祈りを捧げる。
日本語ウェブサイト

   

2000  イフティカール&エリザベス・ダディ 「盆栽」(現存せず)
日本の伝統文化、伝統産業に敬意を表し、それを代表するものとして、盆栽のオブジェをつくり、十日町の会場に設置。表面には電球が取り付けられ、夜になると灯りが灯る。
日本語ウェブサイト

2000  ジョセフ・コスース 「Reading Sample(Codex)#1,2000」(現存せず)
信濃川に架かる幹線道の橋、妻有大橋の袂に設置された作品。「万物の根源は水」であるというアリストテレスのテキストを使い、妻有における水と地域の関係を浮かび上がらせる。
日本語ウェブサイト

2000  小嶋一浩 「世界一ちいさなでも世界一ほそながい図書館」(現存せず)
詩を電柱に刻んだオギュイベ作品に隣接して設置した、子供のための仮設図書館。
日本語ウェブサイト

   

2000  河合喜夫/ ぼう建築計画+GEO+大竹アトリエ 「節黒城キャンプ場コテージA棟」(宿泊者のみ観覧可能)
川西の節黒城キャンプ場につくられた、一般利用可能なコテージ3棟の一つ。無垢の木材で仕上げられた室内は、河岸段丘のようにさまざまなレベルを持ち、越後三山を望むことができる。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/CWDGCrGDzVkG3zzB8

    

 

2000  塚本由晴/アトリエ・ワン+三村建築環境設計事務所 「節黒城キャンプ場コテージB棟」(宿泊者のみ観覧可能)
川西の節黒城キャンプ場につくられた、一般利用可能なコテージ3棟の一つ。敷地である森の斜面に見つけた、元からの踏み分け道に合わせて、Y字状のプランとなり、森を歩くような感覚をもたらす。室内を黒く塗装し、窓で切り取られた周辺の風景を意識させる。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/xB12o1dT79dLAuav7

    
    
   

2000  石井大五/フューチャースケープ建築設計事務所 「節黒城キャンプ場コテージC棟」(宿泊者のみ観覧可能)
ブナ林の公園の中で建築が目立たないように、地域の人々の見慣れたローカルな民家のデザインを発展させた外観に対して、内部は、外観のつくる大きな黒い箱の中を、滞在に必要な機能を並べた白いチューブの空間が、複雑に折れ曲がり、思い掛けない空間をつくり出す。その2つの空間の対比がブナ林を見る対照的な視点をつくり出す。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/k4ZPLjyhke73HaFL9

   
  
  
   

2003      大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003

2003      草間彌生 「花咲ける妻有」(公開中)
まつだい農舞台の屋外に設置された花の彫刻。草間さんがつくった全世界の野外彫刻の中で、もっともお気に入りの作品とのこと。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/DLB8EcWm4hSVcQC77 

 
 

2003      MVRDV まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」(公開中)
合併前の旧市町村ごとにつくられる予定だった芸術祭のセンター「ステージ」の一つとして、松代につくられた。まつだい駅に隣接して立つ。5本の階段を構造体として、建物を宙に浮かせ、建物の下は、豪雪時にも利用できる屋外スペースとなる。宙に浮いた2階は、レストラン、展示室などに利用されている。現在は公開されていないが、屋上の白い鉄骨は岩山を模したもので、建物を支える実際の構造になっている。実施設計はCLIPによる。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/4UxMJQE4u2nX5DZk7 

   
   

2003      ジャン=リュック・ヴィルムート 「カフェ・ルフレ」(公開中)
MVRDVの設計したまつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」の水色の部屋が、レストランとなった。アーティストは、住民に撮影してもらった自宅から見える風景の写真を、季節ごとにまとめ、4つの円形照明に配し、それを映す鏡のテーブルを用意した。今は、「越後まつだい里山食堂」となり、供されるランチビュッフェには、地元食材を使った絶品の郷土料理が並ぶ。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/4UxMJQE4u2nX5DZk7 

   
  
 

2003      牛島達治 「くむ・めぐる・いとなむ」(現存せず)
MVRDVの設計したまつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」の黄緑色の部屋が、ミュージアムショップとなった。写真をよく見ると、台が宙に浮いているのが見えるが、店舗の天井からワイヤーで吊るされた20個の台に商品が乗り、それが、天井の機構により、ゆっくりと店内を回遊、循環する。単純な循環、単純な時間の繰り返しではなく、それぞれの台が、他の台の影響を受けて、移動経路が決定されるという、微細な非再現性のある時間の繰り返し。再現性と非再現性の中にある時間の存在を、商業的な装置の中に潜り込ませたという、かなり画期的な売り場だったので、改修で展示スペースに変わり、撤去されたのが残念。
日本語ウェブサイト

   
  
  

2003      河口龍夫 「関係 - 黒板の教室」(公開中)
まつだい農舞台の内部に設置された作品。教室全体、床も壁も机も地球儀も黒板でつくられ、来訪者は、思い思いに落書きをすることができる。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/4UxMJQE4u2nX5DZk7

  
  
 
  

2003      手塚貴晴+手塚由比 越後松之山「森の学校」キョロロ(公開中)
合併前の旧市町村ごとにつくられる予定だった芸術祭のセンター「ステージ」の一つとして、松之山につくられた。松之山の有名なブナ林「美人林」近くに立つ自然博物館を兼ねた教育研修施設。散策路をイメージした線形の建築が長く伸び、最後に塔となって立ち上がる。外壁は、全溶接の耐候性鋼板を用い、窓は、積雪の圧力に耐える分厚いアクリル板でつくり、冬、雪の断面が観察できるようになっている。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/B9DwaFiMcS59XS9E9 

   
 

2003      原広司+アトリエファイ建築研究所 「越後妻有交流館 キナーレ」(公開中)
合併前の旧市町村ごとにつくられる予定だった芸術祭のセンター「ステージ」の一つとして、十日町につくられた。正方形プランの中央に大きな池を配し、その四方を室が囲み、街の喧騒から隔てられた静かな空間が現れる。2003年の開業時には、十日町の繊維業のショールームだった2階エリアは、2012、越後妻有里山現代美術館MonETとなった。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/NQTYE8pkr1Ybtjf99 

 
    
  
  

2003      ジョン・クルメリング+浅葉克己 「ステップ イン プラン」(冬を除き公開中)
松之山地区の入口に立つ巨大な看板。松之山の名所の文字サインや風景をコラージュし、展望台を兼ねている。建築は魅力的だが、途中の東屋からは、裏山しか見えず、最上部のテラスでは、文字サインが邪魔して、風景がよく見えないという、看板の隙間から風景を見る感覚を楽しむ展望台。
日本語ウェブサイト 
https://maps.app.goo.gl/tZ75KwcDTXwH2cqa9

2003  ローレン・バーコヴィッツ 「収穫の家」(公開終了)
松之山の上湯集落にある古い民家の室内で行われたインスタレーション。米、織物と言う妻有の産物や、暮らしに使われた炭などで、米の床や、わらの壁の部屋など、この場所の記憶を伝えるような空間をつくる。
This work was installed inside an old house in Uwayu community. Using Tsumari products such as rice and textiles, and charcoal used in daily life, a space with a rice floor or straw walls was created that conveys the memories of this place.
日本語ウェブサイト

    
    
    
    

2003  ロビン・バッケン 「米との対話」(公開終了)
松之山の上湯集落にある古い民家の暗い屋根裏で行われたインスタレーション。室内に光ファイバーを織り込んだ畳が敷かれ、その光ファイバーが、1794年に小林一茶が詠んだ俳句をモールス信号に変えて、発光する。暗く塞がれた窓に、その俳句が、光の孔による文字で表示される。
日本語ウェブサイト

    

2003  ジャネット・ローレンス 「エリクシール/不老不死の薬」(冬を除き公開中)
松之山の上湯集落にある古い蔵に、地元で収穫した植物を焼酎に漬けたジュースを展示。壁のガラスパネルには、その植物についての古代の薬草学の本の解説が書かれ、隣には、その植物を吊るしている。植物が象徴するこの地の風景を、広い文化的視点から解釈している。
日本語ウェブサイト 
https://maps.app.goo.gl/tZ75KwcDTXwH2cqa9

    
   
  

2006      大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006

2006      内海昭子 「たくさんの失われた窓のために」(冬を除き公開中)
中里の小高い河岸段丘の公園につくられた、妻有の風景を切り取る窓。窓がつくられることで、風景が再発見される。
日本語ウェブサイト 
https://maps.app.goo.gl/Pzbrg2t33SwaQgS77

 

2006      酒百宏一 「みどりの家」(2024年に公開終了)
フロッタージュ技法により、アーティストと来訪者が、落ち葉を緑色の色鉛筆で紙に写し取り、それを室内に貼って、みどりに覆われた空間をつくる。2006年より始まり、場所を一度変え、現在の場所で続けて来たが、建物の老朽化のため、2024年で公開を終了する。
日本語ウェブサイト

 

2006      うぶすなの家(冬を除き公開中)
十日町の願入地区にあった1924年に建てられた民家を、さまざまな陶芸家が、陶芸により再生。地元の女性たちが、ここをレストランとして運営し、大地の芸術祭により生まれたコミュニティビジネスの成功例の一つとなった。建物本体の改修設計は建築家の安藤邦廣さんによる。
日本語ウェブサイト 
https://maps.app.goo.gl/ArcAKdB9nDJbLBN59

 
 
 
 

2006      行武治美 「再構築」(現存せず)
十日町の当間地区の野原に立つ、鏡に覆われた家。アーティストの手作りによる、一つ一つ異なる鏡が、自然や風景を映し、風が吹くと、それらが揺らいで行く。
日本語ウェブサイト 

 

2006      ビリ・ビジョカ 「田麦の本」(現存せず)
十日町の田麦集落の空き家を利用した図書館。何も書かれていない本が置かれ、住民や来訪者が、そこに旅や地域について書き、地域の記憶を集めた図書館が生まれる。思索にふさわしい静謐な空気に満ちた場所が現れた。
日本語ウェブサイト

 
 

2006 杉浦久子+杉浦友哉+昭和女子大学杉浦ゼミ 「幸(ユキ)のウチ」(現存せず)
解体された十日町の中心街の住宅街の一郭で、中越地震で家々が壊れた場所に、レースでつくった雪の世界をつくり、ここにあった家の記憶を伝えようとした。(制作年 : 2006、現存せず)
日本語ウェブサイト

2006      ムタズ・ナスル 「夢」(現存せず)
十日町の名ヶ山集落の旧名ヶ山小学校の校舎を利用した福武ハウスに設置された作品。地域で見掛ける三角形の倉庫をモチーフにした巨大な万華鏡の中に、来訪者が入ると、万華鏡に投影された集落の家から集めた写真の風景と一体になる。
日本語ウェブサイト 

   
   

2006      小白倉いけばな美術館 (現存せず)
小白倉集落の家々や庭を利用して、さまざまないけばなアーティストが、植物をインスタレーションした。
日本語ウェブサイト 

2009      大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009

2009 アントニー・ゴームリー 「もうひとつの特異点」(冬を除き公開中)
十日町の二ツ屋集落にある空き家の内壁を取り払い、柱と梁だけとなった空間に、682本のワイヤーを通し、その中心では、交差するワイヤーがアーティストの身体をつくり出す。「もうひとつの特異点」とは、質量、空間、時間の生まれた宇宙の起源を意味するとのことだが、暗闇の中を幾筋もの光が突き刺す様は、ビッグバンの瞬間の表現にも見える。耐震性の著しく低かった建物は、金箱構造設計事務所の改修設計により、鉄骨フレームや構造用合板による補強で、必要強度を確保した。ワイヤーも耐震要素という話が出ることがあるが、怪しそう。
日本語ウェブサイト 
https://maps.app.goo.gl/2n8EhC6npfVMDQDQ9

 

2009      クロード・レヴェック 「静寂あるいは喧騒の中で」(冬を除き公開中)
十日町の桐山集落の空き家を利用したインスタレーション。暗い部屋の中で、さまざまな色の照明、火山岩、田植えに使う道具「わく」、音が、点滅し、動き、五感に働き掛けて来る。最後の部屋は、自然光が入り、霧が流れ出し、朝の訪れを表現している。
日本語ウェブサイト 
https://maps.app.goo.gl/NZgxnu4vfRqPyyDx6

 

2009      向井山朋子 「Wasted」(現存せず)
数千枚の白のシルクのドレスを吊るし、その間に、横になって瞑想する場や、女性の月経による血染めのドレスを展示する小部屋を設け、ジェンダーやフェミニズムの問題を提起したインスタレーション。 大地の芸術祭では、数少ないジェンダーをテーマにした作品。実施設計は、川西 康之/nextstations + CUT(千葉大学大学院の建築学生たちによる有志)によるもの。
日本語ウェブサイト 

2009      山崎龍一 「Culture bound syndrome」(現存せず)
机の上の小さな机にフードを被って座る子供の像は、会場となった廃校で行われていたいじめ撲滅運動に触発されたもの。この学校に通っていた子供たちの絵も一緒に展示される。
日本語ウェブサイト 

2012      大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012

2012      アン・ハミルトン 「Air for Everyone」(冬を除き公開中)
津南の田中集落の、かつて板金屋が住んでいた家に、さまざまな楽器が吊るされ、来訪者は、紐を引っ張って、音を鳴らすことができる。その音が、この家と集落をつないで行く。
日本語ウェブサイト 
https://maps.app.goo.gl/c6whT1oGihV35TgE9

2012      青木野枝 「空の水/苔庭」(現存せず)
2003年から中里の白羽毛、西田尻集落で作品の設置を続ける、アーティストの2012年の作品。神社の境内に、鉄板から切り出された円がつながり、重力から解放されたかのように浮遊する。
日本語ウェブサイト 

 
 
 

2012      アンドリュー・バーンズ・アーキテクト 「オーストラリアハウス」(冬を除き公開中) 
初代オーストラリアハウスは、2011年の長野県北部地震で全壊し、2012年に、国際設計コンペで選ばれた2代目が完成した。アーティスト・イン・レジデンスおよび宿泊施設を兼ねている。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/BbkrNaWotx6dW4vK6

   
   
  

2015      大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015

2015      蔡國強 「蓬莱山」(現存せず) 
キナーレの中庭の水面に設置されたインスタレーション。中国の道教で仙人が住むと言われた海上の島、蓬莱山を模し、まわりには、わら細工の乗り物や、火薬画も展示された。
日本語ウェブサイト

2015      豊福亮 「黄金の遊技場」(冬を除き公開中)  
金色に輝く遊技場。部屋全体に日用品からゲーム機、仏像、シャンデリアまでが所狭しと壁や天井を埋めて、ラテンバロック建築の隙間恐怖症(オロール・バクイ)のような空間が出現する。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/icTBaZhCdtmrmE3z6

 
 

2015      EAT&ART TARO他 「上郷クローブ座」レストラン」(芸術祭の会期中に上演)  
上郷クローブ座にあるレストラン。地元の女性たちが、地元の食材でつくった食事を、芝居仕立てで提供する。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/KZ7SWvdseYanokJc6

2018      大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018

2018      中谷ミチコ 「川の向こう、舟を呼ぶ声」(現存せず)
津南の上野集落の住民から採取したさまざまな昔の記憶をレリーフにし、公民館の白い壁に展示。それぞれのレリーフは、凸面状になっており、見る角度により描かれたイメージの表情が変わって行く。この作品のシリーズが、越後妻有里山現代美術館 MonETに、現在展示されている。
日本語ウェブサイト 

 

2018      ダミアン・オルテガ 「ワープクラウド」(現存せず)
津南の美雪町集落にある廃業した繊維工場で、天井から吊るしたたくさんの糸に、球と、下端の水滴状の重りを取り付けた。カーテンのような空間が現れ、かつての繊維工場を呼び起こす。
日本語ウェブサイト 

2018      葉晉亨 「香港ハウス」(冬を除き公開中) 
香港との文化交流拠点であり、公募で選ばれて建設された。香港との間の地域交流プログラム、アーティストの滞在制作などがおこなれる。実施設計は大平政志さんによる。
日本語ウェブサイト
https://maps.app.goo.gl/KZ7SWvdseYanokJc6

   
   
   

2022      大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2022

2022      Mapped to the Closest Address+山口純 「誤山を眺める」(現存せず)
山と生態系を多種族の視点から問い直す活動をしているグループが、理想的な山の風景は誰のためなのかという問いを発見したり、山の生態系の中にある運動を探求しようとしたインスタレーションであり、また、この作品が山を巡るゲートボールゲームの場ともなった。
日本語ウェブサイト 

2022      深澤孝史 「スノータワー」(現存せず)
十日町のニュータウン、新座の七和地区の防災センターに、豪雪地域ではお馴染みの除雪器具の一つで、この地区で開発された除雪具「クマ武」を積み上げて、タワーをつくった。
日本語ウェブサイト 

 

2024      大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024

→ 2024年の作品は、こちらの投稿をご覧ください。

2024年のJR東日本の東京エリアの車内の電子広告では、15分に1回、妻有を紹介する動画が流れていました。2022年の電子広告は、明らかにJR東日本でしたが、2024年のCMには、大地の芸術祭委員会の名。まさか、自前の広告? 2枚目は、動画でのまつだい農舞台のランチビュフェの様子。

   

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参考文献
"越後妻有アートネックレス整備事業計画書"(アートフロントギャラリー,1999)
"大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000"(越後妻有大地の芸術祭実行委員会,2000)
"大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000"(越後妻有大地の芸術祭実行委員会,2001)
"大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003 ガイドブック"(大地の芸術祭・花の道実行委員会東京事務局,2003)
"越後妻有アートトリエンナーレ2006 大地の芸術祭ガイドブックー美術手帖2006年7月号増刊"(美術出版社,2006)
"公式ガイドブック 大地の芸術祭アートをめぐる旅ガイドー美術手帖2009年8月号増刊"(美術出版社,2009)
"現代美術がムラを変えた 大地の芸術祭"(北川フラム,角川学芸出版,2010)
"美術は地域をひらく 大地の芸術祭10の思想"(北川フラム,現代企画,2014)
"公式ガイドブック 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015"(現代企画室,2015)
"大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018 公式ガイドブック"(現代企画室,2018)
"大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2022 公式ガイドブック"(現代企画室,2022)
"大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024 公式ガイドブック"(現代企画室,2024)
大地の芸術祭ウェブサイト
Echigo Tsumari Art Field Website
Wikipedia

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