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ビンタン島は、水上集落の宝庫。そこかしこに水上集落があるというより、水上集落にバラエティーがあるのが見られる場所であるということ。

いかにも東南アジアらしい水上集落というのがご所望であれば、インドネシア系住民の集落、カワルがお薦め。

桟橋の両側に家が並ぶ。

最初の見どころは、長く伸びた木の桟橋。

今は、道路橋が真ん中を横切っていますが、入江の奥から、河口を経て、川筋が内陸に入り込むあたりまで、一つながりに続く長い集落です。川を挟んで、二本の桟橋が、海に向かって伸び、家が取り付いて行きます。

昔からの桟橋のつくり方通り、水底に杭を打ち込み、梁を掛け渡し、その上に、不揃いの厚板を、ぶっきらぼうに打ち付けただけ。

桟橋の板床は、折りからの強いスコールに濡れて滑りやすい上に、腐って抜けたものや、釘がゆるみ、はね上がるものなど、「トラップ」が点々とあります。そこをこわごわ歩くのも、こういう集落を探検する醍醐味。そんな旅行者をはた目に、子供はぴょんぴょん走り抜けて行きます。

家並もまた、水上集落の模範解答のような、下見板張りの切妻の家。ペンキを塗らない家も多く、雨に濡れ、雨に汚れた姿は、マングローブの幹の色や土色の水面と同調し、環境に溶け合っています。そして、家と桟橋の間には、屋根付きのテラスがくっ付いています。色に乏しい集落の中で、玄関前のテラスの鉢植えの花が、鮮やかに浮かび上がります。

特別でないけれど、この地域、この多雨の気候の中で、長い時間掛けて落ち着いた集落の形であり、容易に手に入る素材、単純化されたデザインで、補修も簡単です。

インドネシア系住民の集落、カワルの空気は、あくまでも普段着。住民も、来る者は拒まず、去る者は追わず、という感じで、他所者が歩き回っていても、気にもしないし、不快な顔もしません。

集落は、川を挟んだ対岸にも続いている。
桟橋の両側に家が並ぶ。
桟橋の両側に家が並ぶ。ほとんどの家が、桟橋と家の間に屋根付きテラスを持つ。
桟橋と家の間にある屋根付きテラスには、鮮やかな植物が置かれている。
家と家の間の様子。
ほとんどの住民が、旅行者に無関心の中、少女が近づいて来た。
桟橋の板床の詳細。
水上集落で、インフラが整備されていないためか、雨水を溜めていた。
住民の去った家の杭だけが残されていた。

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もっと詳しく → ビンタン島の水上集落 - 1:カワル(ビンタン島、インドネシア)

参考文献
Wikipedia

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