四国山地のおもしろいバスシステムが、つるぎ町のフィーダーバス。

つるぎ町の幹線道を数台のバスが一緒に走り、ある地点で行き先別に客を振り分けると、枝分かれして山奥へ入って行きます。どんなところを走るのかバスを追い掛けました。運転が得意なつもりの自分でも恐怖を覚える細い山道は切り返ししなければ上れないほどですが、バスは結構速く走り、写真を撮るために止まったら、消えてしまいました。カーナビには道なき山の表示。ネットも入らず途方に暮れて、役場に電話して、見えるものを説明しても、担当者は「どこだか分かりません」。仕方なく走り続けて30分、小さな集落で、やっと見掛けた老婦人に、道案内がてら話を聞きました。
山奥の人の気配のない集落、大藤は、煙草栽培が盛んな頃は、煙草の集荷地として、大藤銀座と呼ばれるほど賑わった地。専売公社の買取の取り止めで繁栄は消えましたが、阿波池田のたばこ資料館に行けば、その頃、煙草が、いかに阿波の経済を支え、豊かな富を生み出したかに驚き、そして、簡単に僻地経済を切り捨てる国の産業政策の非情を実感します。
フィーダーバスが思い掛けない場所へ運んでくれました。





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